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イヤホンの周波数特性について(1)

 先日はintime-Xのモニター募集に多くの方々からお申し込みを頂きありがとうございます。現在コロナの影響で部材の入荷がやや遅れており、スタッフ一同手をこまねいている状況です。
 このintimeーX、以前のブログで書かせて頂きましたが、製品的には今回のモニター販売の製品限りになるモデルです。弊社的にはここで開発したこの筐体材料を次、あるいはその次の新製品に搭載したいという狙いがありまして、今回はユーザーの方々から様々なご意見を頂きたいと思っています。特に碧Lightや碧2との比較に重きを置きたいかなと思っています。
 
 さて、今回は二回(場合によってはそれ以上)に分けてイヤホンの周波数特性について書きたいと思います。
 下記のデータは2年ほど前に弊社内で試作したイヤホンの周波数特性データです。今回のブログを書くためにお宝箱から取り出してきました。このデータでは二つのイヤホンの特性を比較しています。リア筐体の材質を樹脂とステンレスに変更したものの比較です(ここではマイク補正や自由音場補正などの音響的な補正を行っていませんのでご注意を)。リア筐体の材質以外は全て同じなので基本的にはこのデータのように全て同じになるというのが一般論です。ところがこれを試聴してみるとあら不思議。私だけでは無く、弊社の事務担当の女性やアルバイトのスタッフまでもが聴いてその差がわかるレベルで音が異なって聞こえます。ただし例えばAは思い切り低音が出ていて、Bは全く低音が出ていないというような極端な差では無くて、こっちの方が楽器の数が多く聞こえるとか、こっちの方がボーカルが近くで聞こえるといった感覚的な違いのようです。人それぞれ感じ方や表現の仕方は違うものの聴感的には概ね差異があるという結論に達します。

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 一般的な音響理論で人間の耳がその音の大小差に気づくのは3dB差以上と言われています。即ち人間が「音が大きくなった」「音が小さくなった」と気がつくのには3dB以上の変化が必要ということです。例えばある特定の周波数で音圧が3dB以上大きくなっていると、人間は明らかに音に違いを感じることが出来るということになります。しかしながらこのデータ上にはそんな差があるような周波数帯域は見当たりません。それでも試聴者は何故か両者の違いを感じてしまいます。
 まさかプラシーボ効果?と言われることもあると思いましたので弊社のスタッフ試聴者にはイヤホンを見せずに背部から第三者がイヤホンを装着して、その後視聴者が耳に合うように自分自身でイヤピースの位置などをアジャストしてもらいます。これにより試聴者はそのイヤホンが何なのかを知ることは出来ません。そうやってもやはり聴感に違いが生じるのです。
 周波数特性は同じなのに聴感が異なる。何故?ということになりますね。それがオーディオの面白さなのだと思いますが、技術的なお話しをもう少し(詳しい話はまた次回に)。
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