2020
May
26
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開発日誌(3)
イヤホンの軽量化や価格低減には樹脂製の筐体を用いる必要があります。しかしながらVSTのような固い振動体を支持するにはどうしてもある程度の重量が必要になるというお話しは前回の開発日誌(2)で述べました。セラミックを支持する部材の無駄な振動を抑制することがセラミックを用いたハイブリッドイヤホンには重要になるからです。金属筐体を用いれば質量(重量)という意味で制震することが出来ます。でもそれでは重くなってしまいます。
そこでここのところ自粛中にずっと樹脂の勉強をして一つの答えに辿り着きました、それは「●●樹脂の採用です」と言いたいところなのですが、そこはとりあえず企業秘密と言うことで伏せさせてください。一般の部材では無くイヤホン用途にブレンドしてもらった材料ですが、アクリル系みたいに●●系という表現は可能ですが、それも今回は秘密です。ヒント的には比較的内部損失の大きな材料とだけ言っておきますね。
とにかく理想の樹脂が実現出来れば、筐体の偏振動を抑制できますので樹脂筐体でありながら低域をしっかり出せるようになります。そして何よりもセラミックツイータそのものの歪も低減出来るため、ピュアでクリアな音が出来る!というのが私の持論です。
今その筐体を用いてイヤホンの組立を計画しています。チューニングも低音寄りにしてみて、樹脂筐体での低域再生の可能性について模索しようと思っています。
来月くらいにはきっとこのイヤホンの試作が完成すると思いますが、ここは一度弊社のファンの方にモニターになって頂きレビューを頂ければ良いかな等と思っています(またSNSで情報発信しますね)。基本的に製品開発というお仕事はユーザありきのタスクであるという理念がありますので、開発者の自己満足に陥ることはしたくないですからね。そこで評判が良ければこの材料を用いた新型イヤホンの開発にいよいよ着手ですかね。
自粛期間の私の成果。面白い方のイヤホンメーカの代表として表現してみたいですね。
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