2023
Mar
15
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日本のもの作り企業として
ポータブルオーディオの世界に参入して6年が過ぎました。太陽誘電を退職する時に、この世界で事業をやっていくなどとは全く想像もつかなかったのですが。。。
ポタオデの世界は趣味・嗜好の世界ですので答えなどあるわけはありません。特に経験が豊富で拘りをお持ちの方々は我々プロ(一応)にも負けないようなスキルをお持ちで、かつご自身の音をしっかりとイメージされているようですね。ポータブルオーディオのブログなどを見させて頂くととても勉強になるものも散見されます。
日本人を揶揄する笑い話に下記のようなものがあります。
様々な民族の人が乗った豪華客船が沈没しそうになりました。救命着を着用している乗客を沈没する前に海に飛び込ませないと船と一緒に乗客は沈んでまいます。そこで沈没前にどうやって乗客を海の飛び込ませるかを船員が考えました。
【ロシア人】には、海の方をさして「あっちにウォッカが流れていきました」と伝えました。
【イギリス人】には、「こういうときにこそ紳士は海に飛び込むものです」と伝えました。
【ドイツ人】には「規則ですので飛び込んでください」と伝えました。
【アメリカ人】には「今飛び込めば貴方はヒーローになれるでしょう」と伝えました。
【日本人】には、「みなさん飛び込んでますよ」と伝えました。
この話にあるように日本人は兎角、無個性で個人の意思を持たない国民として認識されているようです。しかしこの話を逆に返すと、人がどう思っているかを気にする気遣い、敬い、もてなしという文化を持つ国民性だとも言えると思っています。そしてその国民性が世界市場で認められているものの一つにアニメがあります。日本製のアニメは絵の細やかさやストーリーなど、見る人の心に感動を与え世界的な人気を誇っています。またあまり知られていないようですが、ミシュランのランキング店の数も日本が圧倒的であります。「料理」という人の嗜好・感性に訴えるビジネスにおいても日本人の繊細な気遣いが活かされていると思います。
その反面、工業製品における他国の技術力は既に日本を凌駕している部分も多く、ものづくり大国日本のお株をすでに奪われてしまっているように思います。特にアジア諸国の新興は目を見張るモノがあります。
当社はアニメや食のように、日本人の感性を大事にし、お客さま(=人)がどう感じて下さるか、喜んで下さるかに「拘り」を持ち、もてなし国「NIPPON」の企業としてものづくりに取り組んでいきたいと思っています。
また日本でもの作りに携わる一人のエンジニアとして、イヤホンのような嗜好品こそが日本人のもつ感性で差別化出来る製品の一つであるとも考えています。当社製イヤホンのintimeとMaestraudioは海外ブランドがひしめく日本のイヤホン市場において頑張り続けなくてはならないブランドだとある種の使命感をもっています。まだ6年しか経っていない歴史の浅い当社のイヤホンですが、日本人が持つ感性を設計のポリシーとして脈々と注ぎ込み続けることが当社のお仕事なのでしょうね。
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