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オーツェイドの独り言

オーツェイド株式会社代表 渡部のパーソナルブログです。

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intime 耀(Yo) について

先日、e★イヤホン様の方からもアナウンスがありましたが、新製品 intime耀の販売を9月7日から開始いたします。本製品はe★イヤホン様の限定販売になります。
 すでに同社さまのECサイトYoutubeで当社製品の詳細について記載されていますが、本ブログを通じて開発の経緯や技術的な詳細をお伝えしたいと思います。
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 ご存じのように当社では2019年の夏から不定期にASSYミーティングというイヤホンの組み立てイベントを行ってまいりました。既に社外で13回ほど開催させて頂き、社内でのラボミーティングを合わせると20回を超える開催回数になります。その中でお客さまが製作されたイヤホンを製品化したものが昨年緊急販売させて頂いた「intime凪」と「intime響」でした。いずれの製品も当社の機構やデバイスを巧みチューニングされ、それぞれ個性的な音作りをされていたことが印象的です。

 今年2021320日にも当社の地元高崎市で開催したASSYミーティングにe★イヤホン社長の岡田様をお招きして創って頂いたのが本製品「intime耀」です。

 岡田社長は「出来るだけ多くの方々に喜んで頂けるイヤホンを」というコンセプトの元、ご自身の感性やご経験をフルに活かし、筐体カラーは元よりウーハーやツイータなどのサウンドユニット、さらにはASSYミーティングならではのオーディオデバイス「HDSS」も採用された上で緻密な周波数特性のチューニングにまとめあげられました。その結果、多くの方々に受け入れて頂けるフラットな特性も持つ素直なイヤホンに仕上がり、ご自身のコンセプトを見事に具現化されました。
 当社でそのイヤホンを試聴させて頂き、忖度無く製品化のレベルに到達しているとの判断に至りました。岡田社長のコンセプトを元に音作りの最後の調味料としてフロント側にフルチタンの筐体を採用させて頂きました。その後ご自身に命名をお願いし、音のイメージ、チタンの持つイメージである光沢感などを元に「intime耀」と命名頂きました。そしてここに岡田社長リスペクトモデルが生まれたのです。

岡田社長のフラットかつ臨場感に溢れるチューニングにチタンの持つスピード感が融合された音は、ジャンルを選ばず多くの方々にお勧め出来るイヤホンです。


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intime 耀(Yo) の特徴】

1. 3世代VST2の採用

intime耀」では、当社のオリジナル技術である積層型圧電セラミックツイータVST(Vertical Support Tweeter)2を採用。低履歴特性のセラミック材料をベースに、より変位量の大きなセラミック素子を採用した第3世代VST2を搭載しております。一般的なセラミックツイータは固体振動であるためその尖鋭度が高く、ピーキーな音がデメリットでもありました。当社が提案するVST構造は振動板の支持方法法を工夫し尖鋭度が低く、ハイレゾ規格に求められる高域周波数において比較的ブロードな再生特性を実現しています。

ツイータ-VST2(Blog)

また今回採用したVST2はその再生帯域を15Hz16Hz以上に設計しているため、可聴域を越えた超高域の感度がさらに増加し、より自然に近い音場の再生が可能になり、かつリニアリティの向上による歪感の少ない落ち着いた高域が特徴と言えます。

VSTの構造と変位特性 

2. グラフェンコートウーハーの採用

intime耀」ではボーカル域の透明度を向上させるため、倍音性能に優れたグラフェンコートウーハーを採用しています。音の伝搬速度が速く、軽量で偏振動を抑制できる硬い振動板の開発を目標に音響メーカはチタン、単結晶、炭素繊維など様々な素材開発に取り組んでいます。2004年に発見されたグラフェン(2010年にノーベル物理学賞を受賞)は厚みがカーボン分子1個分でかつダイヤモンドよりも硬度が高い素材として一躍脚光を浴びました。


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当社では2017年よりこの素材をコーティングしたウーハーをintime煌に採用しボーカルやピアノの艶やかな音の再生に大きく貢献してまいりました。特にVSTの持つ倍音成分と相まってその奏でる音は余韻豊かな音に仕上がっています。「intime耀」でも同様に中高域の抜けの良さ、粒立ちの細かさ等グラフェンウーハーの持つ特徴を最大限に活かすチューニングを施してあります。


3. 3世代HDSSと第3世代VSTの最適化

intime耀」は煌や轟、凪、響などと同じ筐体構造を持つ姉妹製品でありますが、同筐体で初めて量産品としてHDSSを採用いたしました。本デバイスはTBI Audio System LLCの特許技術であり、その吸音特性に優れた音響ユニットは歪感の少ない音を実現してくれます。「intime耀」では当社旗艦モデルである「翔」に用いた第3世代HDSS技術を採用。第2世代に比べてより効率の良い音響補正効果を持つ為、より乱れの少ない音を奏でることが可能になりました。

HDSS技術ではキャビネット内部の音が整然と整いウーハーの振動板に影響を与えないため、偏振動の少ない振動を行うことが可能になります。その一方で整然と動く振動板から発生される高次の振動が抑制されるために、いわゆる「抜けの良い音」が低下して大人しい音に聞こえてしまう場合もあります。当社ではHDDSの特徴を十分に把握した上で当社独自にその活用方法と最適化に取り組んでまいりました。結果、中低域に関してはHDSSの特性を積極的に活用した上で、抑制された「抜け感のある高域」をVST2の超高域再生能力とのバランスで最適化することで、より自然で聴き疲れが少なく臨場感のある音を実現することに成功しました。VST2HDSSの奏でる抜群にバランスの良い音をお楽しみください。


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3. 同軸構造の配置

 高周波の音は直線性を持っているため、ウーハー、ツイータとその放音孔を直線的に配置した同軸構造を採用しています。そのためセラミックの持つ倍音豊かな高域が音の輪郭を明確にし、かつ音場の広い音をお約束いたします。


鳥瞰図 


4. 主な仕様

製品名    : intime 耀(Yo)

形式     : ハイレゾ対応カナル型イヤホン

ドライバー  : ハイブリッド型

         <ウーハー>グラフェンコート10mmΦダイナミックスピーカ

         <ツイータ>第3世代VST2

         <音響補正デバイス>第3世代HDSS

音圧レベル  : 100dB/mW

再生周波数帯域: 20Hz55kHz

インピーダンス: 22Ω

筐体素材   : チタン合金+樹脂筐体

ケーブル   : MMCXOFCケーブル+3.5mmアンバランスプラグ

イヤピース  : AET07(SM-ML)

付属品    : イヤホンポーチ、本革製コードリール






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プロフィール

intime with u

Author:intime with u
「良い音を日常に」「面白いほうのイヤホンメーカ」
 オーツェイド株式会社の渡部です。
イヤホン、セラミック、プライベートなことなど徒然にブログをアップして行きたいと思います。
趣味:スキー、ロードバイク、アコギ
特技:半田付、胃カメラ

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