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イヤピースの重要性

  02, 2018 01:56
 時々、intime碧のユーザーの方の書き込みで「低音が出ていない」とか「高音ばかりが強調されてる」などというものを見かけます。
 その一方でイーイヤホンのスタッフさんからは「碧は低音が少し強すぎるかな・・・」などと言われることもあります。
 ご存じイーイヤホンの浜ちゃんのintime碧に関するレビューでも低音の量感について触れられていますので、個人的にintime碧は決して低域不足なイヤホンには属さないものだと思います。
 では、なぜユーザの方から上述のようなお話しが出るのか? それはイヤピースの密着性が原因であることが多いのですが、今日はそれについて技術者として解説してみたいと思います。

 弊社はイヤホンを開発している企業ですので、音の評価装置には確かなものを用いる必要があります。
 弊社の場合、日本のオーディオ業界では結構有名なサザン音響さんのダミーヘッド(写真1)を特性評価に使っています。ここの社長さんはソニー出身のエンジニア。過去のアナログ全盛の頃にソニーで活躍されていた方ですので、測定装置は安心して使えます。
特性測定用ダミーヘッド

 このダミーヘッドはイヤホンやヘッドホンなどの特性をできるだけ人間の聴感に合わせるように規格化されたものです。
 ダミーヘッドの内部には人間の内耳外耳に模擬させた位置にマイクが位置しており、耳の形も写真2のようなシリコン系のゴムで形成されています。この疑似耳にイヤホンを装着して音を測定するのです。
 ここではintime碧にスピンフィットを取り付けて音の測定をしています。
 写真2のようにシリコンゴムとの密着性を維持しながら測定するのが基本ですが、
正しい実装方法(イヤピースが疑似耳に密着している)
今回は写真3のように意図的にスピンフィットによれを持たせて装着しました。
密着性の悪い実装方法(イヤピースがよれている)
 写真2の場合、スピンフィットがしっかり耳に密着しているので空気は漏れません。逆に写真3はスピンフィットのよれた隙間から空気が漏れます。
 さて、この二つの方法で音を測定した結果がデータ1です。
intime碧の特性
データは横軸に周波数、縦軸に音の感度を示しています。データの左側が低域の感度、右に行くほど高音の感度を示しています。
気密性の高い装着方法(写真2)はintime碧の代表的な特性で低音~中高域にかけてフラットな特性が得られています。一方、空気が漏れている装着方法(写真3)ではデータのように低音の感度だけが著しく低下しているのがわかります。イヤホンの気密性は低域の感度だけを下げてしまうのです。
 プロの立場で言えば、どんな高価な測定器を用いても、イヤホンの装着が下手だと正しい特性が評価出来ないということの一例です。
 これをユーザーの立場で考えると、イヤピースの装着時に気密性を確保して聞かないと、低音がスカスカになってしまうということを示しています。その結果、低音が出ていない音に聞こえます。特にカナル型と言われているイヤホンに関してはイヤピースと耳の密着度を上げて聴く必要があるのです。
 intime碧は、今までスマホに付属しているイヤホンを聞いていた方々が、初めての高音質イヤホンとして購入される製品に選ばれること多いと思いますが、一般的にスマホ付属のイヤホンは、カナル型では無くオープン型と言う構造のイヤホンを用いており、イヤピースそのものが付属していないものが多いです。オープン型のイヤホンは外部の音が聞こえることがメリットですが、音漏れが大きいのがデメリットです。反面カナル型はイヤホンは外部の音を遮蔽して良い音を聞くという少しオーディオライクなイヤホンなのです。
 ここまで長々と書いてきましたが、カナル型、特にintime碧の装着が正しいかどうかを判断する際の、私なりに考えた一つの方法を下記にまとめました。
 1)まずは二人で行う。
 2)視聴は静かな部屋の方が良い。
 3)一方の方がイヤホンを装着する。
 4)楽曲の再生を行う。その際にボリュームはやや抑えめが良い。
 5)イヤホンを装着していない方はイヤホン装着者のイヤホンからの音漏れを聞く
 6)今流れている楽曲の音が音漏れでかわかるようだとそれは気密性がNG。
こんな感じで自分の耳にあったイヤピースを探すのがイヤホンを楽しむ上での最初にステップのように思います。
特に、人間は左右の耳の穴の大きさが異なりますので、例えば右側はMサイズ、左側はLサイズなんていうことも珍しいことではありません。
 intime碧の低音が不足していると思われる方、お試し頂けると幸いです。
 それでも不足していると思われる方は、一度intime轟を視聴されてみてはいかがでしょうか?特にintime轟、煌に用いているスピンフィットは非常に密着性の良い最新のものを用いていますので。。。



 
 
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あけましておめでとうございます

  04, 2018 21:04
新年あけましておめでとうございます
intime 碧、煌、轟の3ラインナップで
今年は弊社のビジネスはスタートいたしました
ユーザーの方々には感謝いたします。

このお正月も忙しいお正月でした
私の趣味であるスキーにも一度も行くことが出来ず
ややフラストレーションたまり気味の年末年始ではありましたが
意外にもこのイヤホンの開発は
そのスキーよりも楽しく思えてしまう今日この頃
趣味を実益に出来るのは幸せと良く言われますが
やっていて楽しく感じる仕事を出来ることが幸せなのだと感じるこの頃です
実はこの年末に
あるお客様からintime轟のイヤピースが耳に合わないというお話しを頂きました
弊社でも色々と対応させて頂き、どうにかご満足頂けるようになったのですが
この件を通じて
「100人のユーザーの方がいれば、100人の嗜好や装着感に合うイヤホンを作ること」
を今年のメインの抱負にすることにいたしました。
これから無い知恵を絞って何らかの答えを出そうと思っています
そしてもう一つ、サブの抱負は
「地球環境に優しいもの作り」
かなと思っています
地球温暖化で自分の趣味のスキーが出来なくなるのも悲しいですしね(笑)

そんなわけで
2018年、平成30年を迎え
新たな二つの抱負を胸に今年一年頑張って行こうと思った次第です
ことしもよろしくお願いいたします!

メリークリスマス!

  25, 2017 00:17
メリークリスマス!
本日、軽井沢のアウトレットモールに行って来ました。
クリスマスイブと言うことでかなりの混雑を予想して行ったのですが
意外にも混雑は少なく
すんなり買い物が出来た次第です
でもモールの中央にある池のイルミネーションを見て
過ぎゆく一年を感じました。

本来ならばクリスマスまでにintime轟と煌を販売したかったのですが
諸々の問題が重なり12/29になってしまいました。
それが今年最後の後悔です。
でも去年も大晦日に碧を販売しましたし今年も12/29。
毎年末はintimeが新製品を出す!
という認識をユーザー様が持って頂けたかなと考えると
今回の発売時期も結果オーライと思うことにします。
一旦煌と轟の開発は終了しましたが
次の開発が始まります。
今年も年末年始のお休みは短くなりそうです。
でも、何というかこの仕事はすごく楽しいんです。
もの作りは私の天職だなとつくづく感じます。
楽しいことを仕事に出来る自分はとても恵まれています。
連休が短いことなんてほとんど気にならないんです。
まだまだがんばりますよ!

ポタフェスを終えて

  23, 2017 05:37
先日のポタフェスでintimeの新製品 煌と轟の2機種を発表させて頂きました。
多くの方々に視聴して頂けたことを感謝いたします。ありがとうございます。

さてご来客様の中に某楽器メーカの方が何名かいらっしゃいまして
非常に興味のある話や弊社にとって嬉しいお話しを伺うことが出来ました。

まずは興味のある話から。。。
いずれのお客様にも弊社の煌と轟を聴いて頂いたのですが
みなさん弊社製品の解像度の高さを高く評価下さっていました。
クラシック音楽には轟の方が合っているとのこと。
私個人としましては轟の音はバンドをやっている友人達とチューニングしながら作ったもので
まさかクラシック関係の方に御支持頂けるとは思っていませんでした。
目からうろことはこのことですね。

そしてもう一つは嬉しかったこと。
そのお客様は弊社ブースに来られるなりポケットからおもむろに碧を取り出され
「使わせて頂いています」とおっしゃいました。
今回、視聴されたお客様にも碧をご愛用頂いているお客様が多く
イヤホンを持参されたことが珍しい訳ではないのですが
その後のお話しで舞い上がりました。
レコード芸術というクラッシック愛好者向けの雑誌があるのですが
その9月号の「俺のオーディオ」という記事の中
今泉晃一さんという方が他社の製品と比較して
弊社の碧を一押しされているとのことでした。
その記事を目にされて そのお客様は碧を購入されたらしいのです。

帰宅して早速その雑誌を取り寄せました。
レコード芸術9月号の207ページにその記事はありました。
内容はというと
すでにゼンハイザーのCX3.0をご使用の中
最新の4300~6500円のいわゆるコスパイヤホンの中から
クラッシックに適したイヤホンを選択するという企画でした。
みなさんご存じの有名メーカ様の競合ひしめく中
最終的に選択されたのは弊社の「碧」だったということです。
細かな評価の内容なども
開発した私が恥ずかしくなるほどの高評価で
ついつい自分の息子に雑誌片手に自慢話でした(笑)

イーイヤホン様の2017年の年間ランキング(暫定)でも3位に選ばれて
そして今回のような格調の高い雑誌でも評価され
弊社の碧がコスパイヤホンのスタンダードになりつつあることを嬉しく思います。

正直弊社の場合、工業デザインという意味ではまだまだですが
音作りという観点では徹底したこだわりを持って進めています。
弊社スタート時の「良い音を日常に」というコンセプトを大切に
まだまだ頑張ろうとポタフェスを通じて思った次第です。

最後に、
「ポタフェス関係者の方々、
弊社ブースにご来場頂いた多くのお客様
本当にありがとうございました。」

刺さる音、こもる音

  26, 2017 16:46
intime碧
開発当初はVSTを用いることで相当に耳に刺さる高音が気になりました。
以前も書いたように
VSTの特殊な支持構造がその耳に刺さる音を低減してくれているのですが
今日は私なりの
耳に刺さる音と、逆にこもる音の二つの見極め(いや、聴き極め)の方法を書きたいと思います。

文字通り耳に刺さる音は
非常にとんがった感じの音で
我々の業界用語では「刺擦音(しさつおん)」と呼んでいます。
この音を電気的に紐解くと
およそ9kHz~10kHzの周波数帯の音が大きいと
耳に刺さる音として聞こえてきます。
とは言っても、一般の家庭に周波数特性を測定出来る装置などありません。
また、最終的には個別の聴感もあるため
やはり自分の耳で確認するのが一番です。
ここでは私の場合の聴き極め方をお伝えします。

私の場合は尾崎豊の「シェリー」と宇多田ヒカルの「Addicted To You」を用います。
これらの曲は、刺擦音を多く含む曲です。
特にボーカルのサシスセソが強調されています。
この2曲を聴いてみて、耳に刺さる感じがしたら
私の場合はNGにしますね。
そして当然この刺擦音を無くすようにするのですが
減らしすぎると、逆に今度は音がこもって聞こえてきます。
そこで登場するのが福山雅治です。
上記の2曲を聴いて刺擦音が消えたなと思えるイヤホンで
彼の「家族になろうよ」と「桜坂」を聞きます。
そこでボーカルとベースが一緒に出てくるようだとNG。
音がこもっています。
ご存じのように福山雅治のボーカルは深い低域が特徴
とは言っても、ギターベースとボーカルは似て非なる周波数なので
そこは分離して欲しいと思います。
ボーカルとベースを分離するには適度な刺擦音が必要です。
この刺擦音の絶妙なコントロールが
見通しの良い高域を持つイヤホンに必要なのだと私は思っています。

よって定量的な開発が終わったら
私は必ず上記の楽曲を聴いて
最後のチューニングを行うのでした。。。。。


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